【産業保健師が解説】オンラインカウンセリングの注意点・デメリット3つ
オンラインカウンセリングは新型コロナウイルスの拡大に伴い急速にニーズが伸びています。
これまで対面カウンセリングを利用していた人がオンラインに移行するだけでなく、新しい生活様式に伴い、自らのメンタルヘルスを重視する人が増えている、とも言われています。
オンラインカウンセリングを利用する時に注意するべき3つの点を紹介します。
オンラインカウンセリングの注意点1,端末の準備
端末の準備に関する注意点をあげます。
端末とインターネット回線
オンラインカウンセリングはスマートフォンやタブレット、PCなどの機械が必要です。
そして、インターネットに接続する必要があります。 この文章はインターネットに公開されているものなので、これを目にしている方はこの注意点はまず問題ないと言えるでしょう。
アプリ
多くのオンラインカウンセリングはZoomなどのサービスを利用して行われます。
そのため、事前に使用するサービスを確認し、設定を済ませておく必要があります。
オンラインカウンセリング当日も、カウンセリング時間が無駄にならないように、5分前には接続して音声やカメラを確認しておくとよいでしょう。
オンラインカウンセリングの注意点2,お互いの情報不足
情報不足に関する注意点をあげます。
クライアント(相談者)から見た情報不足
クライアントからすると、オンラインカウンセリングのカウンセラーはどのような人か分からない点がまずデメリットといえます。
しかしこれは対面カウンセリングでも話してみないと分からないことは同じなので特別オンラインカウンセリング特有のデメリットとは言えません。
オンラインカウンセリング特有のデメリットは、画面から伝わる情報は対面と比べてずっと少ないという点です。
特にカウンセラーはクライアントの沈黙を尊重します。
対面だと沈黙の時間はクライアントが内省するなど重要な時間ですが、オンラインだと「通信大丈夫かな?今の言葉で伝わったかな?」などの不要な心配が生まれやすいです。
カウンセラーから見た情報不足
カウンセラーからすると、部屋に入ってくるときの挙動、目線、クライアントの身なり、自分との座る距離、椅子に座る深さ、手や足の動き、など多くの情報がクライアントの心情を推測する材料になります。
しかしオンラインカウンセリングではそれらの非言語的な表現が一切ありません。
会話と表情だけでクライアントの心情をすべて受け止めるのは難しいため、オンラインカウンセリングは対面カウンセリングよりも効果が出るのに回数がかかると言われています。
オンラインカウンセリングの注意点3,通信回線によるリスク
通信の品質・回線に関する注意点を上げます。
通信の品質
普段の仕事やプライベートでは問題なく使えていても、ビデオで会話するオンラインカウンセリングは情報量が多いため、回線に負担をかける可能性があります。
そのため、通信が遅くなってしまったり、会話にタイムラグが生じる可能性があります。
回線のリスク
カウンセラー・クライアント(相談者)どちらもセキュリティーソフトを入れていても、悪質なウイルスは次々に開発されています。
従来のように紙で保存しているカウンセリングもまた、窃盗や紛失などのリスクはあるため、どちらにしてもリスクがあることには変わりありません。
多くの病院も電子カルテに移行していますが、電子化には電子化の、紙には紙の、どちらも情報漏洩のリスクは伴います。
まとめ
しかし、
- 対面カウンセリングと比べると安価
- 着替えたり外出する必要がない
- 近所にカウンセリングがなくてもどこからでもアクセスできる
などのメリットにより、オンラインカウンセリングの需要は高まっています。
カウンセリングは万能ではありませんが、注意点をふまえてオンラインカウンセリングに臨むことで、より一層効果の高いカウンセリングになります。 オンラインカウンセリングを選ぶ時の参考にしていただければ幸いです。